category: たからもの
DATE : 2008/08/04 (Mon)
5人合わせて!月カレーの騎士ンジャー!!
ごめんなさい 私が楽しいだけでした。騎士さまファンクラブ会長きくちです。
勝手にファンクラブ作ってごめん。
三人並んでるのかわいいよね。ニヤニヤ
★キラリア★の樹里輔さんから無理やり強奪してきました。ほんと樹里さん天才だとおもうんだ…!!
そ れ と 眼鏡違いの黒豆姉さんにメガミドSSいただいてしまったよ…!!!仕事速すぎです黒豆さん!
いろいろ本多で自分を見失ってるけど メガミド だいすき ほんと まじで
でもきくちがメガミド好き!って言うと何かもう信じてもらえない 気が する 。信じて!
というわけで間違って御堂受けタグからいらしてしまったお嬢さんたち、羨ましがってくれたまえ。(ほんとすんません)
いろいろ強奪させていただいてほんとにもう幸せです…樹里さん、黒豆さん、ありがとうございますーー!!
DATE : 2008/08/04 (Mon)
5人合わせて!月カレーの騎士ンジャー!!
ごめんなさい 私が楽しいだけでした。騎士さまファンクラブ会長きくちです。
勝手にファンクラブ作ってごめん。
三人並んでるのかわいいよね。ニヤニヤ
★キラリア★の樹里
そ れ と 眼鏡違いの黒豆姉さんにメガミドSSいただいてしまったよ…!!!仕事速すぎです黒豆さん!
いろいろ本多で自分を見失ってるけど メガミド だいすき ほんと まじで
でもきくちがメガミド好き!って言うと何かもう信じてもらえない 気が する 。信じて!
というわけで間違って御堂受けタグからいらしてしまったお嬢さんたち、羨ましがってくれたまえ。(ほんとすんません)
いろいろ強奪させていただいてほんとにもう幸せです…樹里さん、黒豆さん、ありがとうございますーー!!
なるべく肺まで吸い込まないように、軽く煙をふかすと、紫煙は暗澹とした空に溶け込むように消えていってしまう。
普段の佐伯は滅多に煙草を吸わない。
20代の終わり頃に、肺をやったからだ。
早朝、小さな咳と喀血ののち、左胸から背中にかけての激痛と咳の発作を起こした。
隣で眠っていた御堂は、異常な状態に飛び起き、実際に苦しんでいる俺よりも蒼白な顔をして、パジャマとガウンのまま救急車で付き添った。
あの、やたらと身嗜みにやたら煩い格好つけの御堂が、そこまで取り乱すことなど、そうそうない。
救急病院に現れた、お揃いのパジャマの男二人。
職員が、どう噂したかは想像に難くない。
3日間の入院中、それでも毎日見舞いに来た御堂が激しく不機嫌だったのも無理はないだろう。
診断名は『自然気胸』というものだった。20代から30代前半の背の高い、痩せ形の男性が罹りやすい病気らしい。
肺の構造は、風船のような作りになっている。なんらかのきっかけで、そこに穴が空くと胸腔内に空気が漏れ、肺を圧迫し、息が出来なくなってしまう。
レントゲンと見ると、左肺は真っ黒(空気は黒く映るそうだ)になっており、上の方にしぼんだ白い袋のようなものが映っていて、それが肺だと言われた。
左側胸の下方に小指くらいの穴を開け、胸腔内にチューブを刺しこみ、持ち運びが可能な吸引器で漏れた空気を抜くのが治療だという。なんとも乱暴だ。
では肺に空いた穴はどうなるんだと思ったが、俺の場合は、生物の授業で習ったブドウのような肺胞の一粒がペチャンと潰れた形になってるそうで、問題は無いらしい。
実際、2日間の吸引で、肺が元の形に戻った後は、特になんの処置もなく退院した。
外来で1週間後に確認のためのレントゲンを撮って、胸に開けた穴の抜糸をしただけだ。
その後、気管支系統に異常はなく、風邪にかかりやすくなったなどということもない。
片肺だけならば、死ぬことは無いし、そうそう珍しくも難しい病気でもない。
「まぁ自然気胸と言うくらいだから、原因は不明だね」
と担当の呼吸器専門医は笑ったが、過労と喫煙は少なくとも要因の一つではあるのだろう、それを聞いた御堂が、俺に禁煙と、適度な休養、自分が喘息の治療のために始めたのがキッカケだという水泳を厳命したのは、当然の流れだ。
まるで鬼の首を取ったかのように「だからいつも私が言っていたんだ、君は無茶をしすぎると」と言われっぱなしなのは癪だったが、あの時、原因不明の痛みと呼吸困難で朦朧とする俺の手を握りしめ「佐伯、佐伯、佐伯、私を置いて、間違っても死ぬな」と真っ青な顔で、ガタガタ震えながら、悲痛な声で言った御堂を思い出すと、逆らうことは出来なかった。
今も残る小さな傷痕に、そっと口付け「お前になにかあれば、私も生きていられないと思った」と告白されてしまえば尚更だ。
今も、思い出すたびに、ピンクの薄いケロイドになったそこから、甘い疼きが沁み出してくる。
強い向かい風が吹き、前髪と煙草の煙を巻き上げた。
マンションの壁に凭れ、あの日も少しイライラしながら、しかし、驚き、怒るだろう御堂の顔を想像しながら待っていた。
―――あの時から、俺はちっとも成長していない。
いつも御堂に心配をかけ、あいつを振り回している。
あの頃と違うのは、時間の長さの分だけ足元に落としていた煙草の吸殻を、カーフの携帯灰皿にきちんと仕舞うようになった事ぐらいか。
黒革の灰皿は、いつか、御堂が佐伯にくれたものだ。
滅多に煙草を吸わなくなった今でさえ、佐伯はそれを大事にしている。
思えば、それは御堂からの初めてのプレゼントだった。
佐伯にとっての、美しいもの、善きものは、凡て御堂と言う形を取っている。
いつも遥か遠く眩しい人。
佐伯にとって御堂というのはそういう存在だ。
いつまでも思春期の初恋じゃあるまいし、とは思うが、事実、初恋なのだから仕方がない。
もう一度、軽く煙を空へと送ると、「佐伯!」という、懐かしい罵声が聞こえた。
これが、愛の囁きにしか聞こえないのだから、重傷だ。
「お帰り、御堂さん」
タクシーから、転がり落ちるように降りてきた御堂が、俺の手から煙草を毟り取って投げ捨てる。
「君はまたっ!死にたいのか!?」
怒りのあまり、キラキラと輝きを増すその瞳に、魅入られる。
肌の艶は落ち、皺は増えた。自分が年を取った分だけ、御堂だって年を取っているはずだ。
なのに、なぜだろう、一つの傷も曇りもないクリスタルガラスのようだった出会った頃のお前よりも、増やした傷を、金で継ぐように己の景色とする今のお前の方が、数倍美しく思える。
「・・・御堂さん、ポイ捨てはよくありませんね」
「佐伯!」
「それに煙草の1本や2本、吸ったくらいで、死んだりしません。あんたが、一晩中、帰ってこなかったら解らなかったがな」
そう言うと、心底呆れたようにため息をつかれた。
「40にもなるっていうのに、子供か君は」
「あんたの前では、俺はいつでも、手も足も出ない小僧だ」
「こんな悪辣な小僧が何処にいる」
「1ヶ月ぶりに逢った恋人に、酷い言い草だとは思わないか?」
「・・・誰のせいだ」
キッカケはいつも些細な事だ。
喧嘩をして出ていってしまうのは、大抵、御堂の方で、今回は仲直りの機会のないまま、長期出張に出られてしまったのは、少々痛かった。
流石にお互い、頭は冷えている。
「だから謝りに来たんです」
そのまま、エントランスの柱の陰に引きこんでキスをした。
「煙草の味がする・・・」
「あんたがいれば、こんなものは必要ないさ」
傷を飲むごとに、艶めかしく毅くなる。
そんな風に年を重ねるお前に、俺は何度だって恋をするのだから。
Fin
普段の佐伯は滅多に煙草を吸わない。
20代の終わり頃に、肺をやったからだ。
早朝、小さな咳と喀血ののち、左胸から背中にかけての激痛と咳の発作を起こした。
隣で眠っていた御堂は、異常な状態に飛び起き、実際に苦しんでいる俺よりも蒼白な顔をして、パジャマとガウンのまま救急車で付き添った。
あの、やたらと身嗜みにやたら煩い格好つけの御堂が、そこまで取り乱すことなど、そうそうない。
救急病院に現れた、お揃いのパジャマの男二人。
職員が、どう噂したかは想像に難くない。
3日間の入院中、それでも毎日見舞いに来た御堂が激しく不機嫌だったのも無理はないだろう。
診断名は『自然気胸』というものだった。20代から30代前半の背の高い、痩せ形の男性が罹りやすい病気らしい。
肺の構造は、風船のような作りになっている。なんらかのきっかけで、そこに穴が空くと胸腔内に空気が漏れ、肺を圧迫し、息が出来なくなってしまう。
レントゲンと見ると、左肺は真っ黒(空気は黒く映るそうだ)になっており、上の方にしぼんだ白い袋のようなものが映っていて、それが肺だと言われた。
左側胸の下方に小指くらいの穴を開け、胸腔内にチューブを刺しこみ、持ち運びが可能な吸引器で漏れた空気を抜くのが治療だという。なんとも乱暴だ。
では肺に空いた穴はどうなるんだと思ったが、俺の場合は、生物の授業で習ったブドウのような肺胞の一粒がペチャンと潰れた形になってるそうで、問題は無いらしい。
実際、2日間の吸引で、肺が元の形に戻った後は、特になんの処置もなく退院した。
外来で1週間後に確認のためのレントゲンを撮って、胸に開けた穴の抜糸をしただけだ。
その後、気管支系統に異常はなく、風邪にかかりやすくなったなどということもない。
片肺だけならば、死ぬことは無いし、そうそう珍しくも難しい病気でもない。
「まぁ自然気胸と言うくらいだから、原因は不明だね」
と担当の呼吸器専門医は笑ったが、過労と喫煙は少なくとも要因の一つではあるのだろう、それを聞いた御堂が、俺に禁煙と、適度な休養、自分が喘息の治療のために始めたのがキッカケだという水泳を厳命したのは、当然の流れだ。
まるで鬼の首を取ったかのように「だからいつも私が言っていたんだ、君は無茶をしすぎると」と言われっぱなしなのは癪だったが、あの時、原因不明の痛みと呼吸困難で朦朧とする俺の手を握りしめ「佐伯、佐伯、佐伯、私を置いて、間違っても死ぬな」と真っ青な顔で、ガタガタ震えながら、悲痛な声で言った御堂を思い出すと、逆らうことは出来なかった。
今も残る小さな傷痕に、そっと口付け「お前になにかあれば、私も生きていられないと思った」と告白されてしまえば尚更だ。
今も、思い出すたびに、ピンクの薄いケロイドになったそこから、甘い疼きが沁み出してくる。
強い向かい風が吹き、前髪と煙草の煙を巻き上げた。
マンションの壁に凭れ、あの日も少しイライラしながら、しかし、驚き、怒るだろう御堂の顔を想像しながら待っていた。
―――あの時から、俺はちっとも成長していない。
いつも御堂に心配をかけ、あいつを振り回している。
あの頃と違うのは、時間の長さの分だけ足元に落としていた煙草の吸殻を、カーフの携帯灰皿にきちんと仕舞うようになった事ぐらいか。
黒革の灰皿は、いつか、御堂が佐伯にくれたものだ。
滅多に煙草を吸わなくなった今でさえ、佐伯はそれを大事にしている。
思えば、それは御堂からの初めてのプレゼントだった。
佐伯にとっての、美しいもの、善きものは、凡て御堂と言う形を取っている。
いつも遥か遠く眩しい人。
佐伯にとって御堂というのはそういう存在だ。
いつまでも思春期の初恋じゃあるまいし、とは思うが、事実、初恋なのだから仕方がない。
もう一度、軽く煙を空へと送ると、「佐伯!」という、懐かしい罵声が聞こえた。
これが、愛の囁きにしか聞こえないのだから、重傷だ。
「お帰り、御堂さん」
タクシーから、転がり落ちるように降りてきた御堂が、俺の手から煙草を毟り取って投げ捨てる。
「君はまたっ!死にたいのか!?」
怒りのあまり、キラキラと輝きを増すその瞳に、魅入られる。
肌の艶は落ち、皺は増えた。自分が年を取った分だけ、御堂だって年を取っているはずだ。
なのに、なぜだろう、一つの傷も曇りもないクリスタルガラスのようだった出会った頃のお前よりも、増やした傷を、金で継ぐように己の景色とする今のお前の方が、数倍美しく思える。
「・・・御堂さん、ポイ捨てはよくありませんね」
「佐伯!」
「それに煙草の1本や2本、吸ったくらいで、死んだりしません。あんたが、一晩中、帰ってこなかったら解らなかったがな」
そう言うと、心底呆れたようにため息をつかれた。
「40にもなるっていうのに、子供か君は」
「あんたの前では、俺はいつでも、手も足も出ない小僧だ」
「こんな悪辣な小僧が何処にいる」
「1ヶ月ぶりに逢った恋人に、酷い言い草だとは思わないか?」
「・・・誰のせいだ」
キッカケはいつも些細な事だ。
喧嘩をして出ていってしまうのは、大抵、御堂の方で、今回は仲直りの機会のないまま、長期出張に出られてしまったのは、少々痛かった。
流石にお互い、頭は冷えている。
「だから謝りに来たんです」
そのまま、エントランスの柱の陰に引きこんでキスをした。
「煙草の味がする・・・」
「あんたがいれば、こんなものは必要ないさ」
傷を飲むごとに、艶めかしく毅くなる。
そんな風に年を重ねるお前に、俺は何度だって恋をするのだから。
Fin
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